品不足を避ける大量生産が裏目?
「朝鮮日報」は9月24日付の紙面で「トンネル直前のサムスン電子、業績は3年前に戻るのか 7~9月期営業利益 4兆ウォン台転落の可能性」という大きな記事を掲載した。
この中で、9月22日に「サムスン証券が、営業利益が4兆7000億ウォンに落ち込むと予測。さらに現代証券は4兆2000億ウォンとした」などと報じた。4兆2000億ウォンだとすれば、前年同期比6割もの減益になる。
記事の中でその原因がスマホ事業にあり、「(2012年に発売した)『ギャラクシーS3』出荷時にグローバル市場で大きな人気を呼び品不足に陥ったため、その後は販売目標を引き上げて前もって大量に生産をした。しかし(2013年発売の)『ギャラクシーS4』以降、販売台数が期待通り増えず、結果的に大量の在庫が発生した」と説明した。
さらに「6カ月ごとに戦略機種を発売し、その間には低価格のスマホも出荷したが、結果的に旧モデルの売れ行きが鈍って在庫が増えた」と分析した。
逆回転する「得意技」
集中生産と頻繁なモデルチェンジは、これまでサムスン電子のスマホ事業でのお家芸だった。他社がとても真似できないような圧倒的なスピードで新製品を出し、一気にシェアを獲得する。これこそが、「サムスン・ウエイ」だった。
ところが、この得意技が、今は裏目に出ているのだ。
その理由は、スマホの技術革新が新製品投入のスピードに追いつかなくなったことだ。これはサムスン電子だけの問題ではないが、カメラの画素数や電池の耐用時間など、主要スペックを見ても最近は、前年モデルとの差が小さくなってきた。
そこに割り入ってきたのが、中国勢だ。