マット安川 ゲストに小山和伸さんをお迎えして、安倍政権の経済政策の評価とともに、メディア問題についても朝日新聞の誤報やNHKの偏向など問題点を解説いただきました。

税金を上げる前に行政のムダ遣いを減らせ

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:小山和伸/前田せいめい撮影小山 和伸(おやま・かずのぶ)氏
神奈川大学経済学部教授。経済学博士(東京大学)。横浜国立大学経営学部卒業。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。専門分野は、経営管理論、組織論、戦略論、技術経営論。著書に『救国の戦略』(展転社)、『戦略がなくなる日』(主婦の友新書)など。(撮影:前田せいめい、以下同)

小山 アベノミクスは、行きすぎた円高を是正するために、思い切って量的緩和をしました。これは良かったと思います。結果として円安に落ち着き、株価が上がった。株価は銘柄によっては倍以上になっています。これはものすごく重要なことだと思います。

 ただ、ここにきて消費税の8%への増税があり、買い控えが起きています。消費者の支出が鈍っている。ですから次の10%へのアップは率直に言って延期するか、しばらく様子を見るべきだと思います。

 財政の健全化は必要ですが、なにか財務省主導で動いている気がしますね。ここで上げたら、息を吹き返した経済に水を浴びせることになると思います。

 一方で、これだけの財政赤字を抱えているにもかかわらず、ものすごく大きなムダ遣いがあります。例えば特殊法人や行政法人ですが、これらは玉石混淆で、本当に大事なこと、立派なことをやっているところもあれば、昼ごろ出ていって、新聞読んで帰ってきて、退職金を山ほどもらってというような団体もあるのは事実です。

 これは整理していかなければいけない。ムダ遣いをしながら、おカネが足りないから税金を上げるというのでは、冗談じゃないと。

 民主党政権の時の「仕分け」はいろいろ批判を受けて、やり方はまずかったと思いますが、だからといって仕分けのようなことはもうやらなくてもいいのかというとトンデモない話で、特殊法人の乱立は依然として大問題だと思います。ここにメスを入れなければいけません。

 今回の安倍改造内閣でも、経済再生担当相と経済産業相を別にする意味が分かりません。経済の再生は経産省の中でやるべきでしょう。女性活躍相なんていうのもどうなのか。厚生労働省の中の仕事じゃないんですか。