先頃米アップルが、腕時計型の情報端末「アップルウォッチ(Apple Watch)」を来年初頭に発売すると発表したが、英国の市場調査会社、カナリスによると、こうしたスマートウォッチを含む「ウエアラブルバンド」の来年の世界出荷台数は、今年の約2.3倍に当たる4320万台に達する見通しという。
出荷台数の大半を「Apple Watch」が占める見通し
カナリスによると、この市場を牽引していくのはアップル。来年はウエアラブルバンド出荷台数の大半をアップルウォッチが占めると同社は見ている。
同社のアナリストによると、アップルは小さなディスプレイに適したユーザーインタフェースを開発し、一般消費者が実際に身に着けたいと思える製品を作り上げた。「洗練されたソフトウエア、豊富な製品種、下位モデルの手頃な価格といった要素が、アップルウォッチの魅力になっている」という。
ただし、アップルウォッチについては、まだ詳細が分からない点がある。その1つがバッテリーの持ち時間。アップルは発表イベントで明らかにしなかったが、海外メディアによると、同社は利用者が毎晩、充電するよう推奨しているという。
これは、1回の充電でほぼ1日しか持たないことを意味し、こうしたバッテリー性能は腕時計型端末にとっての欠点だと指摘されている。例えば、アップルウォッチを睡眠計として使いたい場合、不都合が生じると指摘されている。
カナリスもこの点に注目しており、アップルは今後顧客に見せる最終製品で十分なバッテリー性能を備えていることを示す必要があるとしている。
「スマートフォンにはない価値」不可欠に
カナリスは、体の一部に巻いて着用する端末を「ウエアラブルバンド」と定義している。そのうちアップルウォッチのように外部の開発者が提供するアプリを利用できる多目的端末を「スマートバンド」とし、アプリ機能のない特定用途端末「ベーシックバンド」と区別している。
同社の推計によると、前者の「スマートバンド」は2015年の年間出荷台数が2820万台となり、ウエアラブルバンド全体の65%を占める見通し。後者の「ベーシックバンド」はその残りの1500万台になると予測している。