スマートフォンを手がける中国の大手通信機器メーカー、ファーウェイ(華為技術)が、最大手の韓国サムスン電子にとって脅威になっていると、米ウォールストリート・ジャーナルが伝えている。
ファーウェイは出荷台数ベースで世界3位のメーカー。今年4~6月期の市場シェアは6.9%で、サムスンの25.2%や米アップルの11.9%との差は大きい。
だがその1年前に比べた出荷台数の伸び率は95.1%で、上位5社の中で最も高い。
急成長するファーウェイは、世界のスマートフォン市場を揺るがす存在になりつつあるが、同社はスマートフォンの基本ソフト(OS)に、サムスンと同様アンドロイド(Android)を採用しており、とりわけサムスンにとっては脅威だと、ウォールストリート・ジャーナルは伝えている。
ファーウェイ、タイゼン端末の開発要請を拒否
そうした中、サムスンが開発を主導するモバイルOS「タイゼン(Tizen)」について、ファーウェイが自社端末への搭載を拒否していたことが明らかになったと複数の海外メディアが報じ、話題になっている。
これは、ファーウェイのコンシューマー・ビジネス・グループを統括するリチャード・ユー最高経営責任者(CEO)が、ウォールストリート・ジャーナルのインタビューに答えたもの。
それによると、ファーウェイは、複数の通信事業者からタイゼンを採用するよう要請された。だが社内で結論を出した後は、そうした要請を断り続けてきたという。「我々にはタイゼンの研究チームがあったが、私はそれを中止させた。(我々は)タイゼンに成功の見込みがないと感じている」とユー氏は述べたという。
また、現在世界の大半のメーカーが米グーグルのアンドロイドを採用しており、アンドロイドのOSシェアは85%に上っている。