英国の市場調査会社、カナリスが公表した最新のリポートによると、今年4~6月期における中国のスマートフォン出荷台数は1億850万台となり、世界市場全体の37%に達した。

シェアは1年前の5%から14%に

大画面スマホ「ファブレット」、今後数年で人気急増の見通し

中国の華為技術のファブレット端末「アセンド・メイト」(右)と米アップルのiPhone〔AFPBB News

 同四半期の中国におけるメーカー別出荷台数は、同国のメーカーであるシャオミ(小米科技=Xiaomi)が前年同期比240%増の1500万台となり、初めて韓国サムスン電子を抜き1位になった。

 これに対し、サムスンは同15%減の1320万台で、2年半ぶりに2位に後退した。

 このほかのメーカーを見ると、中国レノボ・グループ(聯想集団)が1300万台で3位、酷派(クールパッド)ブランドのユーロン(宇竜計算机通信科技)が1270万台で4位、中国ファーウェイ(華為技術)が1190万台で5位だった。

 今回初めて首位になったシャオミについては、かねてその急成長ぶりが報告されていたが、同社はここに来て一段と成長速度を速めている。

 米ウォールストリート・ジャーナルによると、今年1~3月期の中国市場におけるシャオミのシェアは10.7%。これに対しサムスンは18.3%、レノボは11%だった。これが4~6月はシャオミが約14%、サムスンとレノボはそれぞれ約12%となった。シャオミのシェアは1年前のわずか5%から急拡大した。

廉価モデルの「紅米手机」が中国で人気

 シャオミの強みは価格性能比の高い端末や、アンドロイド(Android)をベースにした独自仕様の基本ソフト(OS)「MIUI」にあるとカナリスは分析している。同社はこれらを通じ、地域に密着した機能とサービスを提供しており、そのマーケティングも効果的だという。

 同社には、旗艦モデルの「小米手机(Mi)」と廉価モデルの「紅米手机(Redmi、旧英語表記はHongmi)」があるが、いずれも低価格ながら最新部品を備えるスマートフォンとして人気がある。とりわけ後者の紅米手机シリーズが好調で、同社の成長を牽引しているとカナリスは分析している。