現在、最も入手が難しい日本酒と言えば、山口県の酒蔵、旭酒造の「獺祭(だっさい)」でしょう。
5月11日、筆者は京都で開かれた旭酒造の消費者との交流イベント「京都獺祭の会」に参加していました。参加資格は、山田錦生産者団体の末席幹部として、です(「末席」は謙遜して言っているのではなく、本当に末席です)。
供給不足に陥ることが確実の酒米
イベント開始前に会場前でうろうろしていると、本日振る舞われるであろう、氷で冷やされた獺祭の全製品が並べてありました。最初に置いてあったのは同社のプライドを懸けた逸品である「獺祭 その先へ」、そして精米歩合と絞り方法によって区別された各種獺祭と続き、最後の製品の次には獺祭の原料である酒米「山田錦」の穀粒が展示してあります。
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山田錦は、主に兵庫県の三木市や加東市などで生産されています。「この山田錦の産地はどこだろう?」と思いながら山田錦の穀粒をじっと見ていると、傍らで展示物の番をしているかのように立っていた、はっぴ姿の方に声をかけられました。顔を上げると、同社の桜井博志社長その人です。