安倍晋三首相が集団的自衛権行使の禁止を是正する方向性を強い決意を持って明言したことは、以前よりこの方針を支持していたオバマ政権やアメリカの保守派を中心に歓迎して受け止められているようである。

 もっとも、安倍首相の強い決意は表明されたものの、それが日本の国策として決定されたわけではないため、アメリカの主要メディアの取り扱いはそれほど大々的ではない。アメリカでこの問題に関して詳細にわたって説明を加えているのは、主として日本メディアの英字紙、中国メディアの英字紙、中国系英字紙といったところである。

日本の“普通の国”への脱皮を期待するアメリカ

 アメリカでは、たとえ中国はじめ東アジア軍事戦略に関与している軍関係者や研究者といえども、日本の憲法問題や日本が集団的自衛権行使を禁止しているといった事情に深い関心を持っている人々は少数である。したがって、5月15日の安倍首相の会見がアメリカで取り沙汰される場合でも、極めて単純に「これまで、日本は集団的自衛権の行使を禁止してきたが、安倍首相は日米同盟を強化するために、集団的自衛権を行使できるように政策転換をする」といったように簡潔に紹介されるにすぎない。

 中には一歩踏み込んで、安倍首相の打ち出している方針に賛同する内容のコメントも散見される。例えば、以下のような具合である。

 「このような方向性はアメリカにとっては歓迎すべきであり、今まで解除していなかったのが遅いくらいである」

 「他国の軍隊がしばしば実施しているような海外での軍事作戦に自衛隊が参加して、手に手を取り合って国際貢献をすることによって、日本に降りかかっているかつての“軍国主義時代の悪魔”といったイメージから堂々と脱却できるようになるのではないだろうか?」