民主党は政権を取ってから1年足らずで次から次へと約束を反故にしてきた。覚悟のなさには、我々も多くの国民と同じくがっかりした。「口先だけの男と結婚したい」と思う人がいるだろうか。これが第2の理由になる。
第3の理由は、民主党の中は政治的にカオス、あるいは「内ゲバ」状態に陥っている。党内抗争を続けている政党と連立が組めるかということだ。
カオスはできるだけ短期間に収束すべきだ。最も良い選択は菅直人首相が(衆院解散・総選挙に踏み切り)国民に信を問うこと。それができなければ、首相は退陣すべきだ。
民主党は崩壊過程に入っている・・・政界再編のチャンス到来
━━ 渡辺代表は近著『「みんな」の力』(宝島社新書)の中で、「みんなの党は政界再編を目指す」「政と官の一体改革を行っていくためには、政党体制を一度ガラガラポンして、『政治勢力の再結集』を行う」と宣言している。民主党、自民党からみんなの党に同調する離党者を大量に促すという戦略なのか。
渡辺氏 政治家は「覚悟」があるかないかが全て。行動するには腹を括れていないとダメだ。(自民党内の改革派には)「党の中で本当に改革ができるのか」と問いたい。
みんなの党は2011年春の統一地方選で大量の公認・推薦候補を擁立する。(比較的大きな県の)県議選では3分の1ぐらいの選挙区で戦い、地方ネットワークを創っていく。
また、次の衆院選挙では100人以上の候補者を出す。県議選と同様、全国300小選挙区のうち3分の1以上で擁立するということだ。それを続けていけば、崩壊過程に入っている民主党が・・・
━━ 民主党は分裂・崩壊すると予測しているのか。
渡辺氏 可能性は高い。「小沢VS非小沢」ではなく、民主党はもっと細かく分裂するかもしれない。民主党の崩壊が進めば、みんなの党が「この指止まれ」の政界再編を仕掛けるチャンスが生まれる。
でも、それはまだ「ミニ再編」にすぎない。ミニ再編を行いながら、次の総選挙に臨む。そこでみんなの党が3桁の候補者を擁立し、絶対的なキャスチングボート勢力となる。英国の自由民主党のような存在を目指す。同党は(連立の相手に)労働党ではなく、保守党を選んで政権を奪取している。
みんなの党は「この指止まれ」の政界再編を続けながら、官尊民卑に従わない政治勢力を結集していく。主役は民であり、官ではない。その上で、新たな政権が自民党主体か、民主党主体になるのかを、(英国の自由民主党のように)みんなの党が選ぶ。その際、私がトップ(=首相)にならなくてもよい。
「政治空白」期間中、平均株価7000円、1ドル=70円台の恐れが・・・
━━ 民主党とは政策面でも手を組まないのか。
渡辺氏 「一切組まないのか」と聞かれれば、そうではない。みんなの党のアジェンダと民主党のマニフェスト(政権公約)が重なり合う部分では、一緒にやることはあり得る。したがって、妥協を全く否定しているわけではない。
みんなの党はアジェンダが明確だから幹と根の妥協はしないが、枝や葉ではいくらでも応じる用意はある。そのためには、国会を開いて論を戦わせないといけない。国民の見ている前で、どういう違いと妥協点があるのかを示す。先ずこれをやることが必要だ。