長さが約16センチ、幅が約3センチと、小型の懐中電灯大の物体を商品パッケージのバーコードに向けたり、ハンドマイクのように持って商品名を話したりすると、その商品がネットショッピングの自分のショッピングカートに保存される――。

 そんな端末を開発したと米アマゾン・コムが発表した。米国のメディアは魔法の杖のようだと報じている。

バーコードリーダーと音声認識機能を搭載

 端末の名称は「アマゾン・ダッシュ(Amazon Dash)」。先端にはバーコードリーダーが組み込まれている。この部分から出る赤色光をバーコードに照射する、あるいは同じく先端部分にあるマイクに向かって話す。するとその情報が家庭の無線LANを介してアマゾンに送られる。

米アマゾン、ストリーミング装置「Fire TV」を発表

アマゾンは次々と新サービスを発表している。写真は同社が先に発表した「Amazon Fire TV」。これについての記事はこちら。〔AFPBB News

 後は、アマゾンのウェブサイトや、モバイル用アプリケーションで自分のショッピングカートを確認し、購入手続きを済ませればよいという。

 アマゾンはこれを、パンや牛乳、小麦粉やケチャップ、石鹸やトイレットペーパーといった日用品を購入する、同社サービスを頻繁に利用する顧客に提供しようと考えている。

 アマゾンの説明によると、1週間分の食料品であればわずか数分でスキャンが完了する。また果物などバーコードが付いていない商品や、自宅にない商品は、その名前を発話すればよい。「りんご」「チョコレートチップス」といった具合だという。

 アマゾン・ダッシュはまず、米カリフォルニア州のロサンゼルスとサンフランシスコで展開している生鮮食料品ネット通販「アマゾンフレッシュ(AmazonFresh)」の一部の会員を対象に試験的に提供するという。

 端末の価格については明らかにしていないが、現段階では「プライムフレッシュ(Prime Fresh)」と呼ばれるこのネット通販プログラムの会員に無償で提供するとしている。

 プライムフレッシュは、年間299ドルのプログラムで、1回の注文が35ドルを超えていれば、送料が無料になる。商品は朝10時までに注文を完了すれば夕方6時までに、夜10時までに注文すれば翌朝6時までに届く。