かねて噂されていた通り、米アマゾン・ドットコムは4月2日、自社ブランドの映像配信端末を発表した。
製品名は「ファイアTV(Fire TV)」。これをケーブルで家庭のテレビにつなぎ、無線LANなどでインターネットに接続すれば、同社の映像配信サービスや、ネットフリックス(Netflix)、フールー(Hulu)、ユーチューブ(YouTube)といった他社サービスを利用できる。
アプリやゲームのダウンロード販売も開始
また、ファイアTVでは、アプリケーションをダウンロードできる仕組みを用意している。利用者はゲームなどのアプリをダウンロード購入し、付属のリモコンや、スマートフォン用のコントローラアプリ、別売りのゲームコントローラなどで操作して楽しめる。
アマゾンはこの仕組みで、サードパーティー企業にアプリを開発してもらい、ファイアTVを取り巻くエコシステム(生態系)を構築したいようだ。
ただし現在のところ主力サービスは、同社の映像配信サービス「アマゾン・インスタント・ビデオ」。利用者はこのサービスで20万本の映画、テレビ番組をレンタルしたり、購入したりできる。
またアマゾンの商品配送優遇プログラム「プライム」の会員は、約4万本の作品を追加料金なしで見放題になる「プライム・インスタント・ビデオ」を利用できる。このほか同社のクラウドサービスに保存してある音楽や写真を再生、閲覧でき、他社のインターネットラジオも利用できるという。
価格は99ドル、高すぎるとの批判も
ファイアTV端末は、一辺が11.5cmの正方形。厚さは1.75cmと、米アップルの端末「アップルTV」とほぼ同じ。価格もアップルTVと同じ99ドルだ。
ただし、米ウォールストリート・ジャーナルはこの99ドルという価格について、消費者を失望させたのではないかと伝えている。
というのもアマゾンは最近、前述の「プライム」の年会費を79ドルから99ドルに引き上げると発表したばかり。これに伴って多くの消費者は、アマゾンが計画している映像配信端末は、35ドルで販売されている米グーグルのスティック型端末「クロームキャスト(Chromecast)」のように、安価になると期待していたという。