前回「1日1万5000人が殺到するベトナムのマクドナルド」で、ベトナムに上陸したマクドナルドが尋常でないレベルで集客しているという話を書いた。
すると、「アオザイを着るベトナム人女性のスタイルを崩すような米国の侵略行為は断固許すべからず」という、ベトナムを愛する複数の日本の方々からの反応があった。
経済発展とともに、ベトナム人女性が伝統的なアオザイを着る機会は少なくなってきている。
マクドナルドの進出が侵略かどうかはともかく、女性がアオザイを着る機会がさらに減ることを憂慮している人は多い。ただし、アオザイだけをテーマとした記事を書いて(書けなくはないが)、アオザイフェチの変態だと思われても困る。
そこで今回は、アオザイを切り口の一つとして、昨今のベトナム社会の構造的な問題である子供の教育の問題について書くことにしたい。
ベトナム人女性がアオザイを着られる理由は、世界一低いベトナムの肥満率
ベトナム人女性が、タイトなアオザイを着こなすことができるのには実は理由がある。というのも、下図のようにベトナム女性は(男性も)、統計的に世界一細身だからだ。
ここでは、BMI([体重]÷[身長の2乗])が30以上の人を肥満と定義し、肥満人口が人口全体に占める肥満比率を計っている。
ベトナムの肥満比率の低さは男女共通で、女性の0.6%、男性の0.3%は、世界91カ国の比較において、男女ともに堂々の第1位。