「汚職公務員になりたい」、6歳の少女が語った将来の夢 中国

「大きくなったら汚職役人になりたい」と語った6歳の少女が中国で話題になっている。理由はたくさんモノを持っているから〔AFPBB News

先月、中国政府教育部が「中小学班主任工作規定」という小中学校の「主任」の仕事に関する新ルールを発表した。

 主任というポストは、大雑把に言ってしまえば日本におけるクラスの担任である。今回の規定の目的は、この主任の待遇を改善しようということだった。給与のアップや労働時間の改善などが盛り込まれている。

 ところが、もう1つ、この規定には重要な内容が含まれていた。「主任は生徒の教育を保証する」。このままではよく意味が分からないが、つまるところ主任に生徒の学力向上を保証させ、絶対に手を抜かさせないということだ。

中国でもモンスターペアレント出現、その実態は

 なぜ、中国政府はこんな規定をわざわざ設けたのか。それには急速に変容する中国の教育事情が背景にある。

 中国の都市部において最近、日本と同じようにモンスターペアレントが問題になっている。そしてまた日本と同じような「学校裏サイト」ではないが、教師の誤った発言をネット上に書き込んだり、教師の取った(生徒からすれば)おかしな行動を携帯電話で撮ってネットにアップしたりすることが、日常茶飯事になり始めた。

2人目産めないのは「一人っ子政策」のせいではない?中国

中国は1世代限りだったはずの一人っ子政策を続け、少子高齢化が顕著に〔AFPBB News

 生徒の一部には、モンスターペアレントの力を笠に着て、教師に対してわざと傍若無人な振る舞いをする狡賢い子供たちも登場した。彼ら10代の生徒はほとんどが1990年代生まれ。中国語で「90後」と呼ばれる子供たちである。

 日本のメディアでは最近、彼らの1世代上に当たる、中国語で「80後」と呼ばれる若者たちの問題について報道されるようになったが、90後の生徒たちは80後とはまた違った厄介な問題を引き起こしているのだ。

 日本で報道されている80後は、ちょうど学校を卒業して就職し始めた世代に当たる。一人っ子世代として両親だけでなく祖父母からも溺愛されて育った結果、就職しても仕事に対し無気力で覇気がないことが問題となっている。彼らは、何一つ苦労せず欲しいモノを親から与えられたことから、中国では一般的に「自我が強い」「説教が好きではない」「人に指図されるのが嫌い」という特徴があると言われている。