前回は、スウェーデンの森林産業関連のマルクス・ヴァレンベリ賞の存在について、実例とともに紹介した。今回はヴァレンベリ賞を受賞した事例と合わせて、2013年授賞式と晩餐会そしてヴァレンベリ家について紹介する。
知る人ぞ知る「森林産業のノーベル賞」
授賞式への招待は通常7月はじめに、今年の授賞者の紹介とともに郵送される。招待は被招待者とその同伴者(夫または妻)に対して行われる。もちろん1人での参加も許される。
招待状には、「藤原秀樹(筆者)と同伴者宛」に「2013年9月23日にスウェーデン・ストックホルムのグランドホテルにおいてスウェーデン国王夫妻臨席で開催される、マルクス・ヴァレンベリ賞授賞式と引き続き行われる晩餐会」への招待が記されている。
招待状の差出人は「マルクス・ヴァレンベリ財団議長および取締役会」である。左下に現議長のマルクス・ヴァレンベリ氏(賞の創始者である、マルクス・ヴァレンベリ氏の孫で同名)のサインがある。
招待者は約300人。すなわち、150組から160組が招待される。スウェーデンとフィンランドの招待者とヨーロッパからが大半である。米国、カナダが若干名、日本からは毎年、筆者(と同伴者)のみである。
式典はすべてグランドホテルで開かれる。宿泊も招待状への返信に記入しておけば、自動的にグランドホテルとなる。グランドホテルはノーベル賞受賞者が宿泊するホテルとしても有名である。このホテルもヴァレンベリ家の一族によって経営されている。
写真のように出席者のドレスコードはタキシード(ブラックタイ)である。授賞式も晩餐会も夕方6時半頃から23時頃までの長丁場である。もちろん、コーラスなどあり、出席者にとっては、あっという間に時間が過ぎてしまう。
2日目の午前中は受賞セミナーが開かれる。同じ時間帯に同伴者(主としてご婦人方)向けのプログラムも用意されており、こちらはマルクス・ヴァレンベリ氏の令夫人ファニー・ザックス氏(建築家でもある)がエスコートする。
市内の博物館などを見学した後、ヴァレンベリ家の別荘であるタッカウデン(Täcka Udden)で昼食というコースである。ともに、午前中でプログラムは終わる。