昨年2月、ロシアに隕石が落ちたニュースが耳目を集めたことは記憶に新しいが、今度は韓国に隕石が落下し隕石ブームを巻き起こしている。

 今年3月9日午後8時頃、ソウルから車で約4時間離れた晋州(チンジュ)という地方都市では照明弾を上げたように空が一瞬明るくなる現象が目撃された。そして、翌日の早朝、パプリカ栽培を営むカン氏が作業をしにビニールハウスに出かけたところ、その近くで隕石と推定される物質を見つけた。

韓国が日本から独立して初の隕石

ビニールハウスの中に落下した最初に発見された隕石

 このニュースが流れ、隕石に対する関心が高まりつつある中、翌日の11日、またその近くの豆畑で2番目の隕石らしい物質が発見された。学者たちの調べによりこれら2つの物質は隕石と判明した。

 これまで韓国では1943年に隕石が発見されたが、その時は日本の植民地であったため、見つけた人は韓国人であったのにもかかわらず、日本人が持ち帰ってしまった。その後、韓国は何度も返還を申し出たが断られ続けた。

 1999年に韓国が日本から借りる方式で韓国に展示されているが、隕石の所有権は相変わらず日本が持っているという悲しい歴史がある。従って、韓国が独立してからは今回が初めての隕石落下となる。

 以前の隕石落下から71年ぶりとなるため、学者たちは学術的、文化的価値が高いので研究のしがいがあると目の色を変えて喜んでいる。

 しかし、一般市民たちの関心は学術や文化価値というよりは、発見者に所有権があるかどうかや隕石を売ったらいくらになるかに集中している。噂では1個当り10億ウォン(約1億円)とのことであったが、今回の隕石はそれほど希少価値はないと言われている。

 さて、至近距離で2つも隕石が見つかり、その所有権は発見者に帰属することが知られると、晋州には我先にと隕石めがけて晋州を訪れる野次馬たちが後を断たない。