市場調査会社の米ガートナーがまとめたリポートによると、昨年1年間に世界で販売されたタブレット端末の台数は2012年実績から68%増え、1億9540万台になった。
同社はタブレットも含む薄型軽量のコンピューター機器を「ウルトラモバイル」と呼んでいるが、その中でタブレットの占める割合は90%。これに対し、従来型の二つ折りノートパソコンは8%、タブレットにもなる1台2役のハイブリッド型パソコンはわずか2%で、タブレットの人気は圧倒的という。
「Android」端末が「iPad」抜く
そしてこの市場の成長を牽引しているのが、米グーグルのモバイル基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」。
昨年1年間の販売台数をOS別に見ると、アンドロイドは1億2096万台。米アップルの「iOS」(iPad)は7040万台だった。
アンドロイドのシェアは2012年から16.1ポイント上昇したがiOSは16.8ポイント低下した。これにより両OSのシェアは61.9%、36.0%となり、アンドロイドは初めてiOSを抜いた。
ガートナーによると、アンドロイド端末が伸びている理由は、小型・低価格製品の人気の高まりだという。また「ホワイトボックス」と呼ばれる中国などの小規模メーカーのノーブランド製品も台頭している。
これらは新興国を中心に伸びており、世界のタブレット市場に大きな影響を及ぼしている。ガートナーの分析では、昨年の新興国市場の成長率は145%、これに対し成熟国市場は31%だった。
ただし、アップルのアイパッドは依然、高価格端末の分野で強みを持っている。
同社の製品は、アプリ、サービスに加え、それらを開発するサードパーティー企業のエコシステム(生態系)という形で提供されており、ライバルメーカーの挑戦が続いている。また「アイパッド・ミニ」も高いシェアを持ち、アップルは小型端末分野にも強いという。
アップル、メーカー別では首位を維持
昨年のメーカー別年間販売台数の順位を見ると、アップルが首位を維持した。