中国のパソコン大手、レノボ・グループ(聯想集団)が米グーグル傘下のスマートフォンメーカー、米モトローラ・モビリティを買収することになったと、レノボとグーグルが発表した。今後、米・中の規制当局の承認を経て、買収手続きを完了する予定という。
レノボが支払う買収金額は約29億1000万ドル。取引は6億6000万ドルの現金、7億5000万ドル相当のレノボ株で行い、残りの15億ドルは期限3年の約束手形で支払う。
グーグル、主要特許は売却せず
この買収取引でレノボが手にするのは、「モトローラ」ブランドや「Moto X 」「Moto G」「DROID Ultra」といったスマートフォン製品、そしてすでに計画されている将来の製品群もレノボが所有権を得る。
一方でグーグルは、モバイル基本ソフト(OS)を取り巻く技術革新の推進に注力できるようになり、ウエアラブル端末やスマートホーム機器も開発していくとしている。
またグーグルは特許の大半を保持し、レノボにその使用権を与える。グーグルのラリー・ペイジ最高経営責任者(CEO)は、同社が特許を保持することで、グーグルのモバイルOS「アンドロイド(Android)」のエコシステム(生態系)全体を守ることができると説明している。
グーグルがモトローラ・モビリティを買収したのは2012年の5月。同社が買収を決めた最大の理由は、モトローラ・モビリティが持つ2万5000件に上る特許だった。これにより、アンドロイドを採用するスマートフォンメーカーを特許訴訟から守り、同OSを中心としたエコシステムを拡大する、という狙いがあった。
モトローラ・モビリティは赤字続きの事業
一方でモトローラ・モビリティは製品種を減らし、低価格端末に注力するなどして、販売強化に努めてきた。しかし同事業の業績は芳しくない状態が続いている。
例えば、昨年7~9月期までの過去4四半期のグーグルの決算を見ると、同事業は四半期ごとに2億5000万~3億5000万ドルの営業赤字を出している。