このような永興島を定係港とすることになった巡視船は、中国海洋局の発表では5000トンクラスということであり、中国海警巡視船(第2海軍とも見なされる「中国海洋局」の執行機関は「中国海警局」であり、その巡視船は「中国海警」表示がなされている)としては最大の巡視船が投入されることになる。中国海洋局によると、この大型巡視船配備を手始めにして永興島を拠点とする常駐パトロール戦力を強化するとのことである。
この巡視船とは別に、中国船舶工業集団が1万トンクラスの巡視船の建造にとりかかることも確認されている。この大きさの巡視船は、日本海上保安庁の「しきしま」型巡視船(7150トン、「しきしま」「あきつしま」)より大型であり、南シナ海そして東シナ海における“中国領海”のパトロールに投入されるものと考えられる。
海軍戦闘即応戦隊が実戦的パトロール
中国海警巡視船戦力の増強と歩調を合わせて、中国海軍南海艦隊も西沙諸島そして南沙諸島を中心として南シナ海でのプレゼンスを強化している。

現在、揚陸艦1隻(071型輸送揚陸艦「長白山」満載排水量2万トン)と駆逐艦2隻(052B型ミサイル駆逐艦「武漢」、052C型“イージス”駆逐艦「海口」)で構成された南海艦隊戦闘即応戦隊が、西沙諸島で各種訓練を実施した後、南沙諸島方面に向かったことが確認されている。
“透明性を増している”中国海軍当局も、南海艦隊戦闘即応戦隊の西沙諸島そして南沙諸島でのパトロール・訓練を公にしており、訓練の模様とされる写真も公開している。