今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(1月12日放送/Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)では、沖縄県名護市長選挙を取り上げて沖縄問題や北方領土問題を解説したほか、成人年齢の引き下げや日本の安保戦略などについて語った。
日本の安全保障に直結する沖縄の米軍基地問題
中山 任期満了に伴う沖縄県名護市の市長選挙が12日告示され、現職の稲嶺進氏(共産、生活、社民、地域政党・沖縄社会大衆推薦)と、無所属の新人・末松文信氏(自民推薦)の2人が立候補しました。
普天間基地の移設問題をめぐっては先月末、仲井眞(弘多)沖縄県知事が名護市辺野古沿岸部の埋め立てを承認しましたが、末松氏が推進を訴えているのに対し、現職の稲嶺氏は反対を表明。選挙戦では移設計画の是非が最大の争点になる見通しで、名護市民の判断が注目されると報じられています。
沖縄の米軍基地問題は、間違いなく本州の安全保障に直結します。もっと言えば、沖縄は日本を含めた北東アジア全域における軍事的要衝です。
そもそも、辺野古への移設は普天間基地の危険性を除去するのが前提であり、それに反対すれば普天間を固定化させることにもなりかねません。ですから、沖縄の有権者の方々には、その点を踏まえて良識ある判断を期待したいと思います。
この数年間を振り返ると、民主党政権時代に「トラストミー」発言の影響で日米関係がおかしくなったり、尖閣諸島に中国が領海侵犯を繰り返す異常事態が続いています。そんな状況を作り上げてしまったことを猛省し、日本の領土・領海を守るという意識を一人ひとりが強く持つべきです。
有事の場合を想定すれば、米軍基地は決してデメリットだけではないはずです。例えば1972年の沖縄返還以降、日米同盟の下で共産党一党独裁の中国に対する抑止力であるほか、北朝鮮を含めた北東アジア地域全体の安全を守る上で不可欠な存在となっています。
他方、北に目を向ければ北方領土問題も未解決のままです。北方領土は第2次世界大戦の終了直後、旧ソ連軍によって不法占拠され、いまだ返還には至っていません。しかもロシアは、北方領土に軍事基地を建設する計画まで明らかにしています。
「米国にとっての沖縄」だけでなく「ロシアにとっての北方領土」にもっと目を向けて、北方領土の返還を求めることも大切ではないでしょうか。