「私が首相を辞めた後、(首相は)一人も参拝しないが、日中問題はうまくいっているか。外国首脳で靖国参拝を批判するのは中国、韓国以外いない」と、政界の表舞台から消えていた小泉純一郎元首相が去る11月、日本記者クラブの記者会見で発言。中韓メディアで再び脚光を浴びることになった。

 それから約1カ月後、その時期が注視されていた安倍晋三首相が靖国神社を参拝。2011年12月の京都会談以後、2年以上首脳会談が実施されていない日韓関係が、これで最悪の状況に陥ることは避けられない状況となっている。

レームダック状態の朴大統領、企業や個人の破綻が急増

「北朝鮮との対話は核開発の時間を与えるだけ」 韓国大統領が米大統領に忠告

反日路線を突き進む韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領〔AFPBB News

 一方、就任以来、反日カードを掲げ続けてきた韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は、現職首相では7年ぶりとなった安倍首相の靖国参拝を対日強硬路線の好機と捉え、来月に迫った就任1年を前に早くもレームダック状態の自身の続投(今後4年間)への“攻(好)カード”にする狙いだ。

 しかし、その朴大統領の反日外交と内政の失策こそが韓国経済をさらに苦境に立たせていることを肝心のご本人が気づいていないところが、まさにレームダック。主要な韓国メディアまでもが「破産共和国」などと、大統領の失策と絡め、その危機的状況に警告を鳴らしている。

 それどころか、本来の対日報道姿勢からは親日・自虐的と批判されるような、日本の優位性と韓国の劣性を説いた「鵜経済」論評も展開される事態にまで発展し、韓国の経済状況はまさしく韓国版「財政の崖(フィスカルクリフ)」に差し掛かっている。

 この2月で就任1周年を迎える朴大統領。大統領の経済政策を象徴する「クネノミクス」は就任当初はもてはやされたが、いまではどこ吹く風か。当初は市場・雇用を生み出す創造経済、中小企業優遇の経済民主化を約束したが、その成果は見られない。

 それどころか、東洋グループや熊津(ウンジン)といった財閥と称されるグループ企業が次々と破綻し、企業の倒産等も増加傾向で、生き残る企業の多くも資金繰りに喘いでいるのが現状。

 2013年1月から11月までの統計(「マネー・トゥデイ」調べ)では、日本の会社更生手続きに相当する法定管理申請の企業は751社で、同様に破産申請企業は423社にも上った。営業日1日当たり平均で5社が倒産という計算になり、これは統計開始の1998年以降で最多記録。

 最大輸出先の中国経済の陰りだけでなく、「アベノミクス」で円安ウォン高がさらに進み、特に輸出企業の国際競争力が低下したことが要因の1つ。

 また、“企業が肺炎を起せば、家計は瀕死の状態に”とばかりに、家計にも破綻の波が押し寄せている。こちらも11月までの個人の更生手続申請は3年連続で増加し、約9万6400件に上り、3年前の倍にまで拡大、留まる余地はない。