ただし、そうした中でも犯罪者は日々違法な動画コンテンツをネット上に送り続けている。そこでグーグル傘下のユーチューブのエンジニアが、性的虐待動画を判別できる新技術を開発している。この技術は現在試験中で、年明けにもほかのネット企業や監視団体に提供するとしている。
最後の「技術協力」については、専門技術を持ったグーグルのエンジニアを英国のインターネット監視財団(IWF)や全米行方不明・被搾取児童センター(NCMEC)に派遣する。
これに加え、グーグルはこれら団体のエンジニアが対策技術の実務研修を受けられるようにするため資金を提供するという。
大半は「闇のネット」の中、抜本的な対策が必要
以上がシュミット会長がこの日明らかにした取り組みの内容だ。だが、その効果を巡っては懐疑的な意見が聞かれている。例えば米ウォールストリート・ジャーナルは専門家の見解を伝えている。
それによると、こうした取り組みは初めて違法コンテンツに手を染める者には一定の効果がある。だがインターネットにはグーグルやマイクロソフトの検索エンジンには引っ掛からない「闇のネット」が存在しており、違法コンテンツはそちらでやりとりされている。グーグルなどもこの問題を解決しようと取り組んでいるが、まだ技術的に乗り越えなければならない課題が多くあるのだという。
そもそも、違法コンテンツの大半は闇のネットにある。今回グーグルなどが発表した対策は何も目新しいものではなく、これまでも行われてきたもの。児童ポルノの撲滅には抜本的な対策が必要だという。米PCワールドの記事は、今回発表された対策は、児童ポルノの撲滅が目的というよりは、グーグルなどが企業イメージを損なわないための対策との批判もあると伝えている。
