マット安川 初登場の谷合正明さんを迎え、与党内での日中問題のとらえ方や、消費税増税における課題などをお聞きしました。

中国は政党同士や民間の交流を望んでいる

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:谷合正明/前田せいめい撮影谷合 正明(たにあい・まさあき)氏
参議院議員、公明党中央幹事、青年委員会顧問、国会対策副委員長などの役職を務める。1973年生まれ。京都大学大学院修士課程修了(農業経済学)。同大学院在学中、スウェーデン・ウプサラ大学経済学部へ1年間の交換留学。国連地域開発センターのインターン、ODA開発コンサルタント会社、国際医療NGOのAMDA(アムダ)の職員を経て、2004年7月、参議院比例区で初当選、現在2期目。(撮影:前田せいめい、以下同)

谷合 9月4日から3日間、中国を訪問してきました。目的は3つあります。

 今年1月、公明党の山口那津男代表が中国を訪れて習近平(中国国家主席)氏と会談したとき、政府と政府だけではなく政党と政党の外交、議員外交を強化しようという話をしたんですね。特に若手議員の交流が大事だと。今回私が行ったのはそれを受けてのことです。

 もうひとつは、日本と中国が共通に抱えている課題について協議しましょうと伝えることでした。

 今の中国が直面しているのは、まず大気汚染などの環境問題。水不足という問題もあるし、大地震に備える防災・減災も大きな課題でしょう。また一人っ子政策の影響でゆくゆくは日本と同じ少子高齢化がやって来ます。

 こういう共通の課題を一緒に解決しようじゃないかということです。日中平和友好条約35周年の節目だからということも、今年訪中したひとつの理由でした。

 日本と中国は今、首脳会談も大臣同士の会合もなかなかできない状況です。しかし政党同士や民間の交流は、中国側もやりたがっているという雰囲気を感じました。

国内統治優先の中国。「中日友好」と言える雰囲気じゃない

 今回中国に行って思ったのは、尖閣問題にしても歴史認識の問題にしても、中国国内をどう統治していくかという問題と絡むということです。

 10億を超える人口をまとめていくために、共産党は国内の世論を注視しています。選挙はありませんが、今はネット社会ですから30年、40年前とは違うんですね。世論に敏感にならざるをえない。そんな中、中国の政府中枢が中日友好とかいう雰囲気じゃないのは確かです。

 さりとて経済関係から言っても地理的関係から言っても、互いに重要な相手なのは間違いありません。このまま関係が悪化した状態のままではどちらも損をすることになる。

 だから見解の違いはあるにせよ、共通の課題については歩調を合わせようという方向に、中国も向かっているんじゃないかと思います。