(2)中国の常任理事国としての正当性は?

 国際連合は、UNITED NATIONS であり、本来の意味では連合国である。第2次大戦において日独伊枢軸国と戦って勝利した連合国の意であり、日本人が抱く平和的なイメージとは異なる。その主任務は、国際平和の維持である。

 さて、国連の安保理常任理事国は、核クラブとも称され、P5として拒否権を有している。米英仏に加え、ロシアと中国が現在の常任理事国である(なお、参考までに、国連憲章23条では、今でも中華民国を常任理事国としている)。

 そもそも、国連発足時、常任理事国を選定する際、英国のウィンストン・チャーチル首相は、(連合国の勝利に何ら貢献していない)中華民国の常任理事国入りに否定的であったが、米国のフランクリン・ルーズベルト大統領が中国の大国化を見越して常任理事国入りを推進したとも言われている。チャーチルの判断は真っ当だったと思うのだが・・・。

 国連発足後、支那大陸では蒋介石の中華民国軍と毛沢東率いる共産軍の覇権争いが激化し、敗れた蒋介石は台湾に逃れ、戦いに勝利した毛沢東は1949年に中華人民共和国を樹立し、その後国連に加盟した。

 1971年の「国府追放・中国招請」のアルバニア決議により、中国の代表権が中華民国から中華人民共和国へ変更された。一方、決議の投票では不利であると見越した蒋介石は、自ら国連を脱退した。米国の思惑が中共の常任理事国入りを可能にしたのであり、何時も振り回される。

 中共にとってみれば、支那大陸を実効支配し、蒋介石は台湾に逼塞しているのであり、常任理事国入りは当然であるとの思いが強かったと思う。

 力により蒋介石を追放したからこその常任理事国入りであり、力こそ正義であるとの信奉者になったとしても不思議ではない。力による現状変更を是とする原点である。

 朝鮮戦争においては、中国人民解放軍は、義勇軍として北朝鮮を支援し、国連軍に対したのであるが、そのような国でも常任理事国たり得るのか?

(3)常任理事国たるの責務を果たしているのか?

 日本は確かに先の大戦において壊滅的な敗北を喫したし、支那大陸で中国人民に対し計り知れない被害をもたらし、苦痛を与えたことは事実であり、それは真摯に反省すべきである。

 戦争だったからやむを得ないのだと免罪にすべきではないだろう。しかしながら、新生日本は自由と民主主義に基づく近代国家として発展し、国際平和にも貢献してきた。

 一方、我が国に対して、いつまでも敗戦国であることを忘れるべきでないと執拗に繰り返す中国は、国際社会の平和に貢献すべき常任理事国として、その責務に相応しい仕事をし、品格を有しているのだろうか?

 図体や軍事力だけで大国と言うのではない。それにふさわしい国家の品格が求められる。トラブルメーカーにすらなっているではないか!

 品格泣き国家は常任理事国を辞すべきだ。