米アップルは9月24日、同月20日に世界で発売したアイフォーンの新モデルの販売台数が、最初の3日間で900万台を突破し、過去最高を記録したと発表した。
これは、指紋認証機能を持つハイエンドの「iPhone 5s」と、5色のカラーバリエーションをそろえた「iPhone 5c」の合計で、内訳は明らかになっていない。
昨年市場投入した前モデル「iPhone 5」の発売後3日間の台数は約500万台、その前の「iPhone 4S」の同じ期間の台数は約400万台だった。さらにそれ以前の「iPhone 4」は170万台。これを見ると、アイフォーンの発売直後の台数は年々増加していることが分かる。
「昨年と同条件にすると600万台にとどまる」
ところが、新モデル立ち上げ時の発売国の数や、アップルの台数の数え方を詳しく見ると、昨年までの数字と今回のそれは同条件ではなく、「新記録」は必ずしも偉業とは言えないと指摘されている。
例えば、米ウォールストリート・ジャーナルの記事は、前モデルの iPhone 5 の当初の販売対象は世界9カ国/地域で、今回の iPhone 5s と5cでは11カ国・地域に拡大したことが違いをもたらしたと伝えている。とりわけ中国市場の影響が大きいという。
前モデルの iPhone 5 は、米国や日本などで昨年9月に発売された。このモデルの中国における発売時期はその3カ月後の12月だった。また中国では昨年、発売後3日間で200万台超の iPhone 5 が売れている。ところが今年は初回同時発売国に中国も入っている。つまり今回の900万台のうち200万台は中国のもので、アップルは今年、同国の販売台数を前倒しして得たにすぎないというのだ。
さらに今回の900万台には iPhone 5c の販売台数が含まれていることも昨年と条件が異なるところだと同紙は指摘している。
昨年の発売後3日間の台数には、値下げして同時販売した旧モデルの iPhone 4S は含まれていない。一方今年は5sと5cの合計台数。1機種のみを数えた昨年と、2機種を数えた今年では数値が違っていて当然というのだ。