米アップルは今週、中国における「アイフォーン(iPhone)5」の販売台数が14日の発売から3日間で200万台を超えたと発表した

米アップル、北京にアジア最大の直営店をオープン

アジアにおけるアップルストア最大規模の北京店〔AFPBB News

 この数は同社が今年7~9月期の3カ月間に販売した「アイフォーン4S」の210万台に匹敵するもので、ティム・クック最高経営責任者(CEO)は声明で「中国の顧客の反応は驚くべきこと。発売後最初の週末で記録を更新した」と述べて喜んでいる。

 アップルが米国や日本を含む世界9カ国でアイフォーン5を発売したのは今年の9月21日。同社はその後徐々に販売国を増やし、これまで48カ国・地域で販売していたが、この14日に新たに33カ国・地域を追加して一気に販路を拡大した。

 中でも中国は世界最大の携帯電話市場。同国での好調なスタートは、アップルのさらなる成長の基盤になると、投資家も期待している。

クックCEOの販売戦略が奏功か

 今回の200万台達成という記録は、過去の経験を踏まえた対策が奏功した結果と言えそうだ。

 アップルが今年1月に中国でアイフォーン4Sを発売した際、北京の直営店には前日の夜から多くの客やダフ屋が並び大混乱となった。これを受け警察がアップルの直営店が入るショッピングモールを閉鎖したという経緯がある。

 米ウォールストリート・ジャーナルは、クックCEOは後になってアップルがこの時、需要を見誤っていたことを認めたと伝えている。今回はそれを踏まえ、生産体制を見直し、十分な在庫を用意したもようだ。

 またアップルの同国直営店は1月時点で香港の店舗も含めて6店しかなかったが、今では5店舗を追加し、合計11店舗ある。さらに同社は今回、抽選式の事前予約制を採用し、店舗に客を並ばせない販売方法にした。これにより、騒動も起きず、突如の店舗閉鎖で販売中止を余儀なくされた前回のような事態にはならなかった。