東京の下町、人形町。地下鉄半蔵門線を水天宮前で降り階段を上がると、プーンと甘い匂いがする。ちょうど交差点の角にある人形焼「重盛」。店の奥で作っている。1個120円。小腹が空いたときにちょうどいい。

人形町にやって来た通信社からの来客

人形焼の「重盛」(筆者撮影、以下同)

 この夏、重盛の角を切れ込んだ路地にある人形町のオフィスに来客があった。アメリカの通信社の方。香港支社からという。

 彼女曰く、「日本はLTEも固定ブロードバンドもスマホも普及しているIT大国だ。それなのに、自分たちが販売するニュース動画の売り上げがあまり伸びない。それはなぜなのか、その要因を調べに来た」と。

 私が言ったのは、このオンデマンド文化の時代に、映像をただ見せられるのはツライ。映画も2時間超えるのはツライ。3分のニュース映像もツライ。

 作り手側が「いい」と思っているものと、受け手側の「いい」と思っているものがズレている。特に、既存の大手メディアはそういった人が多くなってしまっている。映像の文法をもう一度再構築する必要があるのでは?的なことを話した。

 少しは参考になったかな・・・。

 もう半年前になるが、今年の2月にNHKのWISDOMという番組に出たときも感じたが、「ニュース」は与えられるだけでなく、「検索」「ソーシャル」「RSSリーダー」で探すものになっている。自分のニュースを自分で作るのだ。

 企業や政府も直接発信できるから、ストレートニュースを報じるメディアの役割は小さくなる。

ワシントン・ポスト紙はなぜ売却を決めたのか

 そんなとき、アマゾンのジェフ・ベゾスCEOがワシントン・ポスト紙を2億5000万ドルで買収するというニュースを聞いた。(参考:ワシントン・ポスト社員に宛てたジェフ・ベゾス氏のレター、ワシントン・ポスト紙の関連記事)

 ちょっと驚いた。と同時に、メディアやジャーナリズムを守るために、オーナーが売ったんだろうな、と思った。