ニッケイ新聞 2013年7月19日

 ミナス・ジェライス州カラチンガで10日夜、自宅で寝ていた男性が、屋根を破って落ちてきた牝牛の下敷きとなって死亡するという、映画のような事件(というか映画でもあまりない?!)が起きた。

 死亡したのは45歳のジョアン・マリア・サントスさん。一緒に住む家族によれば、ブラジリッチと呼ばれる石綿製の屋根が壊れる音と共に、放し飼いになっていたはずの牝牛が落ちてきてジョアンさんを直撃した。複雑骨折となったジョアンさんは病院に運ばれたが内出血がひどく、翌日夕方亡くなった。

 それにしても、なぜ自宅の屋根から牛が――。

 ジョアンさんの自宅は山肌を少し削って建てられ、屋根の一部が家の裏手にある坂と同じくらいの高さになっている。家からさらに登ったところには放牧場があり、落ちてきた牝牛もこの放牧場にいたが、何のはずみか坂を転がり落ち、屋根を踏み抜いたようだ。

 警察はなぜ牝牛が屋根に上るようなことになったのか、ジョアンさんを診察した医師の処置は適切だったかを捜査している。だが、カラチンガの地元紙によると、家の中に牛が落ちてくる事故は、驚くことに初めてではなく、これまでに少なくとも3件の記録があるという。

 1件目は家の中に誰もいない時に起きたため、けが人もなし。2件目は、赤ん坊を含む子供2人が寝ていた部屋に落ちたが、幸いな事にベッドへの直撃は免れた。

 同じ部屋で寝ていた奥さんも難を逃れ、牝牛自身も無傷だったとか。2011年に公開されたリカルド・ダーリンの『Un cuento chino』という映画を地でいくような事件は、世界中で報道されたという。(14日付Mundoなどより)

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