海外メディアの報道によると、スマートフォンメーカーのカナダ・ブラックベリーは9日、株主総会を開き、ソーステン・ハインズ最高経営責任者(CEO)が株主に今しばらく辛抱するよう求めたという。

新OS搭載端末はわずか270万台

「ブラックベリー」に社名変更、新型2機種で巻き返しへ

「ブラックベリー10」を発表するソーステン・ハインズCEO〔AFPBB News

 これに先立ち同社が発表した今年3~5月期の決算は最終損益が8400万ドルの赤字。2年以上かけて開発した新基本ソフト(OS)「ブラックベリー10」は、新端末の販売台数が270万台にとどまり、アナリスト予想を大きく下回った。

 これを受け、決算発表後の同社の株価は28%近く下落。米ブルームバーグによるとこの下げ幅は過去13年間で最大。

 ブラックベリーの株価は昨年9月から回復基調にあったが、これをきっかけに昨年11月の水準へと逆戻りした。

 こうした状況についてハインズCEOは株主に対し、同社はまだ改革の初期段階にあると説明。「(新製品は)単なる新モデルの発売ではなく、全く新しいプラットフォームへの移行。業績回復には時間がかかる」と理解を求めた。

 同社は今年1月、新OSであるブラックベリー10を搭載する新型スマートフォンを2機種発表した。1つはアイフォーンなどと同様の全面タッチパネルの「ブラックベリーZ10」。もう1つは同社端末の特徴とも言える、画面下にキーボードがある「同Q10」。

 前者は1月末から英国やカナダなどで販売を始め、米国では3月に販売を開始した。後者は4月に発売し、6月に米国市場に投入した。