7月7日放送の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)では、軍事と外交について取り上げたほか、ねじれ国会の是非やネット上の誹謗中傷行為の問題などについて解説した。

日米合同軍事演習は外交上の大きな後ろ盾となる

中山 JBpressが「民主党政権の大失態に学んだ日本外交」という織田(邦男)元航空自衛隊空将によるオピニオン記事を伝えています。

 6月26日に終了した日米共同統合訓練「ドーンブリッツ2013」について取り上げたこの記事では、尖閣諸島など離島が占拠された場面を想定した今回の訓練が、中国政府の激しい反発や中止申し入れにもかかわらず予定通りされたことを、特筆すべき点の1つとして指摘。

 対照的な事例として、昨年の日米共同統合演習「キーンソード」で実施予定だった日米共同水陸両用演習が、前民主党政権の対中配慮で突然中止になったことを挙げ、野田(佳彦)元首相の決断が中国との関係修復に逆効果だっただけでなく、同盟国である米国との関係に亀裂を生じる結果となったと述べています。

 民主党政権での苦い経験が、今回教訓として生かされたという織田氏の指摘には私も同感ですが、安倍(晋三)首相が野田元首相と大きく違うのは、最初から中国に譲歩することなど考えていない点です。

尖閣沖で中国監視船3隻が領海侵入

4月23日に尖閣諸島周辺を航行する中国の海洋監視船。この日は2012年9月の尖閣諸島の国有化以降、1日に領海侵犯した中国船の数としては最多となる8隻の中国の海洋監視船が尖閣諸島周辺の日本の領海に侵入した(2013年4月23日撮影)〔AFPBB News

 もちろん戦争を起こしては元も子もありませんが、国益を踏まえた主体的な外交を行うことは重要です。その後ろ盾として、今回のような軍事演習が生きてくるわけです。日本は、外交手腕をもっとしたたかに発揮することが一層求められるのではないでしょうか。

 1ドル360円だった高度成長期から、日本人は日米安全保障条約という米国の軍事力を背景に世界中でビジネスを展開してきました。すなわち、米国が軍事面を支えるという後ろ盾があったからこそ我が国は高度成長を成し遂げられたのです。

 20世紀末に、かつての冷戦構造は崩壊しましたが、今、太平洋上では旧ソビエトに代わり中国が軍事力を拡大し続けています。米国が海外基地を縮小しつつある中で、日本が今後いかに軍事・防衛体制を整えていくかが大きな課題と言えます。

報道を鵜呑みにした暴力的な書き込みや誹謗中傷に恐怖も

 近頃、ネット上で私に関連した報道がいくつか伝えられていますので、その解説をしたいと思います。