バンクーバー新報 2013年5月9日19号
先月30日、重度の自閉症を患う19歳の息子の家庭での介護が限度を超えていると、最愛の息子を州の施設に入所させる決断をしたオタワ在住のアマンダ・テルフォードさん。政府からの十分な援助が得られなかったことが、その一番の理由だったと彼女はメディアに訴えているが、このことは他の障がいを持つ子供の親にとっても同じだ。
自らも自閉症の子供を持つオンタリオ州セント・キャサリンに住むカレン・マジアールさんは「彼女の気持ちが痛いほどわかる。私も同じ状況だった」と語る。
彼女は、政府が提供する援助プログラムは親の側からはわかりにくく、そのことが申請を困難にしていることを痛感した。そこで8万ドルの自費をかけて、障がい者の介護に関わる人たちに向けたヘルスケア・システムの情報提供を始めた。
マジアールさんの長男ジェラルド君には、2歳の時に学習障害と運動機能障害が現れた。9歳の時には、筋肉内の圧力が高まることで循環障害を起こし、筋や神経の機能障害を引き起こすコンパートメント症候群を発症、左下肢の筋肉を失う。
歩行のためには足を固定する器具が必要となった。その後注意欠陥障害と診断されたが、それが誤診であり、最終的に自閉症と知的障害との診断がなされたのは、14歳になってからだった。
シングルマザーのマジアールさんはマーケティング会社を経営する傍ら、ジェラルド君と、その弟の子育てを続けてきた。前出の足の固定器具は、自らのRRSPから6000ドルを切り崩して購入した。