先頃、中国レノボ・グループ(聯想集団)が世界のスマートフォン市場で販売拡大を図っていると報じられたが、同社はその計画を着実に進めているようだ。レノボは今、スマートフォンの合弁事業設立に向けて協議を行っているという。同社が4日に香港証券取引所に提出した書類(PDF)で明らかになった。
実はその前日、読売新聞や中国のニュースサイトなどが「日本国内でパソコン事業を統合しているレノボとNECが、携帯電話分野でも資本・業務提携交渉を進めている」と伝えていた。
レノボの香港証券取引所への書類では、同社の取締役会は一連の報道を「認識している」としたうえで、「ある企業と初期段階の交渉中」であることを明かした。
ただし交渉相手については言及せず、「現段階では合意事項はなく、正式契約には至っていない」と説明している。
レノボ、NECとは年初から交渉中、事業買収も視野に
一方、レノボのアジア太平洋地域担当プレジデントであるミルコ・ファン・ドュイル氏が「複数の企業と交渉中」と述べたと米ウォールストリート・ジャーナルが伝えている。
同紙によるとドュイル氏は「我々が多くの人と話をしている理由は、業界の動きが非常に速いからだ。スマートフォンやタブレットは最も成長が速い分野、とりわけ新興国市場では顕著」と述べている。
レノボは世界のパソコン市場で出荷台数が伸びており、首位の米ヒューレット・パッカードに迫る勢い。ただし市場全体で見るとパソコンは前年比13.9%減と、1994年以降最大の落ち込み。