米アップルは6月16日、同月24日に発売するスマートフォンの新モデル「アイフォーン4(iPhone 4)」の注文数が、先行予約初日で60万台を超えたと発表した。1日当たりの予約数としては過去最多という。予想をはるかに上回る数だったためシステム障害が起き、予約できなかった顧客が多く出たとしている。
注文受け付けを一時停止に
また米国でアイフォーンの通信サービスを独占的に提供する米AT&Tは同日、初日の予約数が現行モデルよりも10倍多かったと発表した。
同社のウェブサイトには15日に1300万人以上がアクセスし、新機種への移行が可能かを確認した。その1日当たりの件数は、これまでの記録の3倍以上。同社は15日分の受注をこなすため、一時的に受け付けを停止すると発表した。
高機能端末で苦戦するノキア
2社が嬉しい悲鳴を上げているその日、携帯電話機世界最大手フィンランドのノキアが、業績の下方修正を発表した。
主力の携帯電話事業の2010年4~6月期における売り上げが、従来予想の67億~72億ユーロの下限か、それをやや下回る。営業利益率は、4~6月期と2010年通期ともに従来予想の下限か、それを下回ると発表した。
2010年は世界市場全体で携帯電話端末の販売台数が、前年に比べ約10%増加するとノキアは見ているが、同社の台数ベースのシェアは前年とほぼ同じにとどまる見通し。また金額ベースのシェアは事前予測の「前年をやや上回る」から「やや下回る」に下方修正した。
理由として、スマートフォンなどの高機能製品の市場での競争激化、粗利益率の低い製品ラインアップへの移行を余儀なくされたこと、またユーロ安による原価の上昇などを挙げている。
ノキアが抱える問題とは?
しかしこの発表を受けて、米ウォールストリート・ジャーナルは、「最大の要因は、アイフォーンの洗練されたデザインや使いやすい基本ソフト(OS)に対抗できる製品を提供できていないというノキアの失策にある」と厳しい論調で報じている。
これが原因となって同社は組織再編を余儀なくされたとも伝えている。