週刊NY生活 2013年3月2日第433号

 稼働継続を巡り議論が続いているニューヨーク州ブキャナンのインディアンポイント原子力発電所について、米海洋漁業局(NMFS)はこのほど、原発を継続した場合、絶滅危惧種である2種のチョウザメに影響があるものの、棲息を危うくするほどではないとする報告書を発表した。

 報告書は稼働許可の更新のために必要とされる環境影響評価のため、米原子力規制委員会(NRC)の依頼で作成された。

 原発は冷却のため大量の水をハドソン川から引いているが、報告書では取水網に巻き込まれて死ぬショートノーズチョウザメとアトランティックチョウザメは20年間で1000匹程度としている。また冷却後に川に戻る温まった水や、原子炉から漏れる放射性物質についても環境への脅威は見あたらないとした。

 マンハッタンの北約60キロに位置するインディアンポイント原発の2基は今年9月と2015年12月にそれぞれ40年の稼働免許が切れるため、原発を運営するエンタジー・ニュークリア社はもう20年の延長を求めている。

 一方、ニューヨーク州は同インディアンポイント原発廃炉を主張、閉鎖サイクルになれば冷却に使用する水の量は減り、魚への影響も少なくなるとしている。原発に反対している環境保護団体のリバーキーパーは「こんなことは時間の無駄だ」としている。

 NRCによる環境影響評価は、4月30日までに発表されることになっている。

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