世界のスマートフォン市場で熾烈な戦いを繰り広げている米アップルと韓国サムスン電子だが、直近の四半期はアップルに軍配が上がったと言えるのかもしれない。
スマートフォンの機種別出荷台数を調べている米ストラテジー・アナリティックスが20日に公表したデータによると、昨年10~12月期に世界で最も出荷台数が多かったスマートフォンは「アイフォーン(iPhone)5」だった。
1つ前のモデル「アイフォーン4S」も台数を伸ばして2位になり、前四半期(7~9月期)に首位だったサムスンの「ギャラクシー(Galaxy)S III」は3位に後退した。
世界のスマホ、5台に1台以上がiPhone
アップルは先の決算発表で10~12月期に4779万台のアイフォーンを販売したと公表していたが、機種別の内訳は明らかにしていなかった。ストラテジー・アナリティックスによると同四半期のアイフォーン5の出荷台数は2740万台で、アイフォーン4Sは1740万台。
スマートフォン市場全体の出荷台数は2億1700万台だったので、アイフォーン5とアイフォーン4Sの市場シェアはそれぞれ12.6%と8%となる。つまりこの期間に世界で出荷されたスマートフォンの5台に1台以上がアイフォーンだったというわけだ。
興味深いのは、アイフォーン5に加え、アイフォーン4Sの出荷台数も伸びているという点。これに先立つ7~9月期のアイフォーン5の台数は600万台、アイフォーン4Sは1620万台だった。
このうちアイフォーン5については発売日が9月21日だったことから日数が10日しかなく、600万台はまずまずの結果。アイフォーン4Sについては新モデル発売前の買い控えが起こり、前四半期比で減少に転じていた。
つまり、アップルは10~12月期でアイフォーン4Sの巻き返しに成功し、さらにそれよりも1000万台多くのアイフォーン5を出荷した。これがアイフォーンシリーズ全体の高い伸びの原動力となったというわけだ。