米グーグルが米アップルや米マイクロソフトに倣って、自社ブランドの製品を販売する直営店をオープンする計画だと複数の海外メディアが報じている。
最初の情報発信源はテクノロジー系ニュースサイトの「9to5Google」。この記事では「極めて信頼性が高い情報筋」の話として、グーグルが今年の年末商戦に向けて米国の主要都市で、複数の直営店を開くと伝えている。
グーグルはこれらの店舗で、自社ブランドのスマートフォンや、タブレット端末、パソコンを販売する。また同社の研究施設で開発された次世代製品を披露する場としても利用するという。
ハードウエア事業の強化で直営店が不可欠に
グーグルはこれまでハードウエア事業には興味を持たない企業と見られてきたが、ここ数年で同社は劇的に変化した。
「ネクサス(Nexus)」ブランドのスマートフォンやタブレットをネットで直販するようになり、同社製パソコン用基本ソフト(OS)を搭載する「クロームブック(Chromebook)」も市場投入している。
昨年は米モトローラ・モビリティの買収を完了し、本格的なハードウエア企業を傘下に収めた。
テクノロジー企業の中では、米アップルが世界で約400店の店舗を運営し、成功を収めている。米マイクロソフトもアップルに倣えと直営店の本格展開に乗り出した。一方で、グーグルはこれまで米ベストバイなどの家電量販店内に「クロームゾーン」と呼ばれる小規模な売り場スペースを持っていたが、いずれも直営ではなく、製品種も限られていた。
9to5Googleなどのメディアによるとグーグルが新たに展開する店は「グーグル・ストア」と呼ばれ、その目的もこれまでより広範になるようだ。
例えば、これまで店舗にはグーグルのスタッフが常駐していたが、その役割は顧客への商品説明のみに限られており、実際の販売はベストバイなどの小売店が担当していた。しかし新店舗では同社のオンラインストアと同様にグーグルが直販する。