「潔癖」な国、日本のミネラルウォーター事情

ミネラルウォーターと水道水の真実(前篇)

2013.02.15(Fri)漆原 次郎

──ミネラルウォーター類の国内生産量と輸入量の合計は、日本ミネラルウォーター協会などの統計によると2011年で317万2207キロリットル。国民1人あたり25リットルを消費している計算になります。これほどミネラルウォーター類を飲むようになった背景は何ですか?

佐々木 1980年代後半、大阪府などで「水道水はおいしくない」という調査研究の結果が出て広まりました。これを機に、水道水を飲まずミネラルウォーター類を買って飲む人が増えました。

 また、95年の阪神・淡路大震災でもミネラルウォーターが大いに役立ったため普及が進んだと言われています。

 最近では、中高年が水不足防止のため、また若者がおしゃれのために、小さなボトル入りのミネラルウォーターを持ち歩くという姿も増えていますね。

軟水は「すっ」、硬水は「ころころ」

佐々木弘子さん。聖徳大学人間栄養学部人間栄養学科教授。栄養学博士。管理栄養士。女子栄養大学栄養学部講師を経て、2001年より聖徳大学教授に。2010年より現職。飲料水の分析の他、食品中の機能性成分の分析などの研究や、管理栄養士の養成も行う。2007年から千葉県が実施している「おいしい水づくり推進懇話会」の座長も務めている。

──飲料水の“質”は、どのように決められるのでしょうか?

佐々木 80年代後半に、大阪大学で衛生工学などを研究していた橋本奨教授が飲料水の成分を分析して、「おいしいかどうか」と「健康に良いかどうか」の尺度で表す方法を開発しました。水の性状を調べる研究ではこの尺度を使っています。

 「おいしいかどうか」の尺度は、カルシウム、カリウム、二酸化ケイ素が含まれるほど、また、マグネシウムや硫酸イオンが含まれていないほど、おいしいというものです。

 「健康に良いかどうか」の尺度は、カルシウムが含まれるほど、また、ナトリウムが含まれないほど、健康に良いというものです。

──私たちが飲むミネラルウォーター類は、その尺度からするとどうなのでしょう?

佐々木 私どもの研究チームは、日本で売られている500種類ほどのミネラルウォーター類を調べたことがあります。分析結果では、8割のミネラルウォーター類が「おいしくて健康に良い」という領域に入っていました。

──「おいしくて健康によい」というミネラルウォーター類の中でも、全体としての傾向はあるのですか?

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