米グーグルが22日に発表した昨年10~12月期の決算は、売上高が144億1900万ドルとなり、四半期ベースで過去最高を更新した。
同社は昨年4~6月期から買収した米モトローラ・モビリティの業績を組み入れており、今回の売上高もモトローラが寄与し、前年同期比36%増と大幅増収になった。
しかしグーグル本体だけを見ても売上高は129億500万ドルと、1年前の同じ条件の105億8400万ドルから22%増加している。
利用者のモバイル端末への移行に伴い同社の収益が圧迫されると懸念されていたが、今回の決算でその不安はとりあえず払拭されたようだ。純利益も前年同期比6.7%増の28億8600万ドルと、過去最高だった昨年1~3月期に次ぐ高水準だ。
グーグルの業績左右するクリック数とクリック単価
同社の売り上げの大半を占めるのは検索連動広告だ。これは表示される広告を利用者がクリックするとグーグルに収入が入るという仕組み。つまり同社の売り上げは、そのクリック数とクリック単価によって決まるというわけだ。
グーグルの発表によると、この10~12月期のクリック数は1年前から約24%増えた。またクリック単価は1年前から約6%減少したものの、前の四半期からは約2%増加した。
実はこのクリック単価はこれまで、前年同期比15%減、同16%減、同12%減、同8%減と推移しており、この10~12月期も同8~12%の範囲で減少するとアナリストらは予測していた。これが予想外に改善していることが分かり、安堵感が広がったというわけだ。
タブレットのクリック単価、パソコンを上回る
その背景にはモバイル広告を取り巻く環境の変化があるようだ。米ウォールストリート・ジャーナルによれば、10~12月期におけるパソコン向け検索広告のクリック単価は79セントだった。これに対しスマートフォン向けは54セントと3割ほど低下している。
画面の小さなスマートフォンでは広告効果が低いと考えられているためだ。