Windowsノート、高価格製品も伸び悩み
具体的に見ると、ウィンドウズ搭載ノートパソコンの販売台数は前年比11%減、薄型テレビは1.5%減。
前者は、米マイクロソフトが10月26日に最新基本ソフト(OS)「ウィンドウズ8」をリリースしたことから大々的に宣伝され、市場回復への期待感も膨らんだ。しかし、ウィンドウズ搭載ノートの売上高は前年比10.5%減という結果だった。
NPDグループによると、その理由は販売価格の下落にある。例えば、昨年11月時点のウィンドウズ搭載機の平均販売価格は477ドル。これが年末は420ドルに低下している。
ウィンドウズ8はタッチスクリーン操作にも対応したOSで、平均販売価格が700ドルと高価格帯のタッチ機能付きノートに期待が寄せられた。
ところがウィンドウズ8搭載ノート全体に占めるタッチ機能付きノートの割合は4.5%にとどまり、これにより500ドル以上の製品の販売額はわずか4%増となった。これに加え、500ドル未満のノートが16%減少し、全体を押し下げた。
これに対し米アップルのノートパソコン「マックブック」の平均販売価格は1419ドルと、前年から100ドル上昇。マックブックの販売も落ち込んだが、減少率はウィンドウズノートの2分の1程度だった。
一方で、薄型テレビの平均販売価格は過去最低水準の364ドルとなった。50インチ以上の製品は19%増と伸びたものの、40~49インチは36%減。30インチ以下の製品も24%落ち込んでいる。
前述のベイカー氏によると、この年末商戦で好調だったのは、ホームシアター用のスピーカーシステムや、レンズ交換式のデジタルカメラ、タブレット端末といった程度。
業界全体で見ると、売り上げ増大につながる新たな収益源を見いだせない状況が続いており、「この先の家電市場に暗い影を落としている」と同氏は指摘している。
