先日、BI(Business Intelligence)ソリューションベンダーの1社である、マイクロストラテジーのカンファレンスに参加する機会があった。
ご存じの方も多いとは思うが、かつてBIソリューションベンダーとしては、Cognos、Business Objectsなど、メジャーなプレイヤーがいくつかあったが、軒並みSAP、IBMなどの大手ベンダーに買収され、ERPの付加製品という位置付けとなってきた。
そんな中、いまなお単独で奮闘しているのがこのマイクロストラテジーであり、いわば独自路線を貫いている稀有な存在である。そして、そのカンファレンスはモバイルやソーシャルといった領域に軸足を置いたユニークなものであった。
モバイルだからこそインターフェースが重要
BIと言うと、どのような使い方をイメージされるだろうか?
経営の意思決定に関わる情報を適切なタイミングで把握して、適切なアクションに結び付ける。様々なデータを同時に表示するということから、かつては「コクピット」と言われるようなものもあった。
ただし筆者の現場感覚だと、それは企業の本社経営陣レベルで「大きな意思決定」をするときの光景である。これからどの市場にリソースを投入しようか、とか、どの部門の数字が良くないからテコ入れしようか、といった経営判断とアクションのためのものだ。
しかし昨今は環境変化があまりにも激しいため、現場レベルでの「小さな意思決定」を瞬時に行うことへのニーズが高まってきている。顧客の前で「持ち帰って検討します」などと言うのはもってのほかで、そうしているうちに競合につけ入られたり、顧客の気が変わったりしてしまう。
そこで求められるのが、適切なデータやツール類を手元で直観的にハンドリングできるツールであり、モバイル系のデバイスの出番となる。
即座に欲しいデータは、例えばある顧客との取引履歴や、顧客に関連する市場の動向、顧客の疑問への類似ケースに基づく回答など。迅速性や直観性で言うと、PCよりもタブレットやスマートフォンの方が優れるのは言うまでもない。