米マイクロソフトは12月11日、自社ブランドのタブレット「サーフェス(Surface)」のうち、廉価モデルの「サーフェスRT」の生産と販路を拡大すると発表した。
サーフェスRTはこれまで米国とカナダにあるマイクロソフトの直営店と、英国、ドイツ、オーストラリア、中国など7カ国の直営オンラインストアで販売していたが、今後はこれに加え、大手量販店などほかの流通チャンネルでも販売する。
米国ではベストバイとステープルズが今週から販売
まずは米国とオーストラリアで12月中旬から小売業者による販売が始まり、その後数カ月内にほかの国の小売業者も販売を始める予定だ。
マイクロソフトは小売業者の名前を明らかにしていないが、同日、米家電量販店大手ベストバイと、米事務用品販売大手のステープルズがそれぞれサーフェスを取り扱うことを明らかにした。両社ともに12日から販売を始めるという。
またマイクロソフトは、ポップアップ・ストアと呼ばれる年末商戦向けにオープンした短期営業店のすべてについて、年明け後も営業を継続すると発表した。このうち業績が良い店舗は正式な直営店にするという。
サーフェスからのアクセス、わずか0.17%
サーフェスは米アップルの「アイパッド(iPad)」などのタブレット端末の普及によって低迷するパソコン市場を再び活気づけようと、マイクロソフトが投入した同社初のコンピューター。
最新基本ソフト(OS)ウィンドウズ8のARM版「ウィンドウズRT」を搭載するこの廉価モデルを今年10月に発売したが、これまでのところ販売は同社の直営店とオンラインストアのみに限定されており、アイパッドなどに対抗するためには、販路を拡大する必要があると指摘されていた。
例えばオンライン広告サービスを手がける米チティカ(Chitika)が公表した米国とカナダにおけるタブレット端末からのネットアクセス数を見ると、サーフェスの割合はまだ0.17%。これに対してアイパッドは88%と圧倒的な開きがある。