米アップル株、新機種発表の臆測で最高値更新

アップルは年間最大2億8000万ドルのライセンス収入を得る見込みという〔AFPBB News

 台湾のスマートフォンメーカー、HTC(宏達国際電子)との和解契約により、米アップルは今後、年間最大2億8000万ドルの特許ライセンス収入を得る――。

 こうしたニュースを11月12日に米ブルームバーグなどの海外メディアが一斉に伝えた。

 これに先立つ10日、アップルとHTCは過去2年以上におよび争ってきた両社の特許侵害訴訟が和解に達したと発表していた。

グーグル陣営相手取った初の訴訟

 今回の報道の情報源は、米スターン・アギー&リーチのショウ・ウ氏というアナリスト。同氏は調査ノートの中で事情に詳しい関係者の話として、「アップルはHTCが販売する端末1台当たり6~8ドルを受け取る」と報告した。HTCの年間出荷台数は3000万~3500万台と推計され、これをもとに年間ライセンス料を計算すると、1億8000万~2億8000万ドルになる。

 アップルとHTCは和解に際し、今後10年間互いが持つ特許について、それぞれ使用を認め、その代わりライセンス料を受け取るクロスライセンス契約を結んだと見られるが、アップルの特許範囲がHTCのそれよりも広範なため、結果的にアップルが得る金額が多いと同氏は報告している。

 HTCは、米グーグルのモバイル基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」を搭載する端末をいち早く積極展開したメーカー。だが、2010年3月、アップルが「アイフォーン(iPhone)」に使われているユーザーインターフェースやハードウエアに関する20の特許が侵害されたとしHTCを提訴した。

 アップルは韓国サムスン電子を昨年4月に提訴しているが、HTCの訴訟はそれより1年も前に提起されており、アップルがアンドロイド端末メーカーを相手取った初の訴訟として注目された。

 HTCではこれを受け、その年の5月と、翌年8月、9月にアップルを逆提訴。だがその後、米国際貿易委員会(ITC)は、HTCがアップルの特許の1件を侵害しており、アップルによる特許侵害はないとの判断を示していた。