米アップルは3月2日、同社のスマートフォン「アイフォーン(iPhone)」に使われている特許が侵害されたとして、台湾のHTCを米国際貿易委員会(ITC)と米デラウェア州連邦地方裁判所に提訴したと発表した。

アンドロイド搭載機メーカーを特許侵害で提訴

アップル、特許侵害で台湾HTCを提訴

台湾北部の桃園にある宏達国際電子(High Tech Computer、HTC)本社〔AFPBB News

 アイフォーンのユーザーインターフェース、基本アーキテクチャー、ハードウエアに関する20の特許が侵害されたと主張している。

 アップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)は、「企業は独自技術を開発すべきで、競合企業の技術を盗むべきではない」とコメントを出している。アップルは米国における、製品の輸入・販売差し止めと損害賠償を求めている。

 HTCは、米グーグルのスマートフォン「ネクサス・ワン(Nexus One)」を製造する携帯電話メーカーとして知られ、グーグルが開発を進める携帯電話向け基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」搭載の端末を精力的に開発しているメーカー。

 米国では、米ベライゾン・ワイヤレスや米スプリント・ネクステルなどの大手通信事業者に、日本ではNTTドコモ、ソフトバンクモバイルに端末を提供している。

 米AP通信によると、HTC広報担当のリンダ・ミルズ氏は、「(訴訟について)報道で知ったばかりで内容をまだ十分に検討していない。アップルが問題とする特許については精査するが、当社技術の正当性を主張していくつもりだ」と述べている。

競争力維持に危機感抱くアップル

 アップルが問題にしているのは、指をスライドさせたり、2本指を使ったりする、タッチスクリーンの操作に関する特許。またグラフィカルユーザーインターフェースの手法や、端末の電源管理に関する特許なども含まれるようだ。

 ただ多くのメディアは、今回の訴訟の提起は間接的にグーグルを対象にしたものだと報じている。英フィナンシャル・タイムズの記事は米IDCアナリストの次のような見解を報じている。