アイフォーン(iPhone)に使われている特許が侵害されたとして米アップルに訴えられていた台湾のスマートフォンメーカーHTCが反撃に出た。現地時間の5月11日、同社はアップルを米国際貿易委員会(ITC)に提訴した。HTCの5件の特許がアップルに侵害されたと主張している。
米国への輸入差し止めを要求
訴状によると、アイフォーン、タブレット端末の「アイパッド(iPad)」、そして携帯メディアプレーヤーの「アイポッド(iPod)」はすべて中国で製造されており、HTCはこれら製品の米国への輸入と販売の差し止めを要求している。
AP通信によるとHTCが対象としている特許は、バッテリーの消費電力管理に関する技術とバッテリーの容量に応じてメモリー内のデータを移動させる技術に関するものが含まれる。残りの3つは、電話番号の保存や検索、ダイアルの方法に関する特許という。
同社のジェイソン・マッケンジー北米副社長は、「知的財産や提携企業、そして何より顧客を守るために提訴した」と説明している。
アップルは今年の3月、アイフォーンのユーザーインターフェースや基本アーキテクチャーなどの特許20件がHTCに侵害されたとして、米国際貿易委員会と米デラウェア州連邦地方裁判所に提訴している。この時、HTCは徹底抗戦の構えを見せていた。
なぜ訴訟は起きたのか?
アップルによる訴訟は米グーグルを間接的に標的にしたものだと言われている。HTCはグーグルが開発を進めるスマートフォンの基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」の端末を精力的に開発している。そしてグーグルはアンドロイドを無料の「オープンソースソフト」として端末メーカーに提供している。