米アップルがタブレット端末の小型モデル、いわゆる「アイパッド・ミニ(iPad mini)」を開発しているという噂はこれまで何度もあったが、ここに来て海外メディアの報道はその内容がより具体的になっている。
例えば、アップルは今月17日に発表イベントを開催する予定で、その招待状を10日(現地時間)にも送ると伝えられている。
7.85インチ型で小型端末市場に参入か
今月初旬に米ウォールストリート・ジャーナルは、小型モデルの量産が既に始まったと伝えていたが、同紙は7日になって新たな報道として、アップルと提携するアジアの部品メーカーが1000万台以上の製造の注文を受けたと伝えた。
同紙によると、アイパッドの小型モデルは従来のアイパッドの9.7インチサイズよりもひと回り小さい7.85インチ型。
「レティーナ(Retina)」と呼ばれる2048×1536ドットの高解像度ディスプレイを備えている現行モデルに比べ、新しい小型モデルの解像度はそれより劣るものの、その分価格を抑えて、米グーグルや米アマゾン・ドットコムの低価格端末に対抗するものと見られている。
1000万台という発注台数は自信の表れ
また部品メーカー各社はアップルから今年10~12月期に1000万台以上の注文を受けたとされる。この数は同じ期間における米アマゾンの「キンドル・ファイア(Kindle Fire)」の発注量のおよそ2倍に達する。
タブレット市場は競争が激化しているが、アップルは小型モデルでも高い需要が見込めると考えていることが分かるとウォールストリート・ジャーナルは伝えている。
アップルがアイパッドの初代機を発売したのは2010年4月で、この時から最初の1年間の四半期当たり販売台数は500万台程度だった。しかし、アイパッド2と現行の第3世代モデルを発売した後の四半期当たりの台数は900万~1700万台で、平均すると約1300万台になる。
つまりウォールストリート・ジャーナルの情報が正しいとすると、アップルはアイパッド・ミニがスタート時から好調に推移すると見ていることになる。