カンボジアの首都プノンペン中心部エリアの東側、大河メコンとサップ川の合流ポイントに面する川岸は、街を東西に横断する大通り「シアヌーク通り」の東の起点となる。プノンペンの街の顔とも言える目抜き通りの1つだ。
高級住宅地が一大商業地へと変身中
川岸近くに威容を誇るカンボジア最大のカジノホテル「ナガ・ワールド」正面を横切り「シアヌーク通り」を西へ。
通りの中央にそびえる独立記念塔は、旧宗主国フランスからの独立(1953年)を記念して建立され、昨年から続くその改修作業がようやく終わろうとしている。
その独立記念塔を横目に通り過ぎてすぐ、通りの南側エリアは、街を南北に貫く他の2つの目抜き通り「ノロドム通り」と「モニボン通り」に挟まれる。
3本のメインストリートに囲まれたそのエリアは、「ボンケンコン地区」と呼ばれるプノンペンを代表する高級住宅・商業エリアである。
カンボジア人富裕層や外国人在住者が数多く住むこのエリアは、以前からプノンペンで最も高級な住宅街だった。
いかにも富裕層が住む豪邸、といった感の大きな住宅が軒を連ねているのは今も変わらないが、昨今はプノンペンで一大ブームとなっている高級カフェをはじめ、レストランや商業ビル、外国人向けの高級サービスアパートメントなどが一気に増え始めた。
昔からボンケンコンに居を構えていたカンボジア人が、現地資本・外資を問わずビジネス進出してくる事業者に、保有する土地・家屋をレンタルし、自らはより閑静な住宅エリアに転居する。
その家屋は事業者の手により改築・改装され、個人住宅だった家屋がカフェやレストラン、商業ビルに早変わりする。
消費ブームに沸くプノンペン、勢いを増す日本企業
こうしてボンケンコンは、かつての高級住宅街という概観から、徐々に流行の商業エリアとしての様相を呈するようになってきている。
もちろん先進国である日本と比ぶべくもないが、あえて強引に例えるとすれば、元々は田園調布(的なエリア)だったものが、表参道・青山(的なエリア)に変貌し始めている、と言えばイメージは伝わるだろうか(あくまで私見)。