先週は米アップルがスマートフォンの新モデル「アイフォーン(iPhone)5」を発表して世界中のメディアを賑わしたが、今度は10月に同社が発表すると噂されているタブレット端末の小型版、いわゆる「iPad mini」に注目が集まりそうだ。
米国の市場調査会社JDパワーが公表した最新の顧客満足度調査によると、すでにタブレット端末を持っている人のうち、4割弱が今後1年以内に新しい端末を購入する意向を示している。さらに現在使っているタブレットに100%の満足度を示している人の9割は、次の端末も同じメーカーから買うだろうと答えている。
アップルが現行のアイパッドを市場投入したのは今年の3月で、まだ半年しか経っていないが、もし噂されている小型版が発売されれば、需要が喚起されそうだ。
別の調査会社、米IDCがまとめた世界タブレット端末市場調査によると、今年4~6月期におけるアップルの出荷台数シェアは68.2%と断トツ。2位の韓国サムスン電子(シェアは9.6%)、3位の米アマゾン・ドットコム(同5%)を大きく引き離しており、市場は今のところアップルの独擅場と言ってよい。
ただし、サムスンも前年比2.2倍で出荷台数を増やしており、市場は急拡大している。先頃は米アマゾン・ドットコムも従来より高機能の「キンドル・ファイア(Kindle Fire)HD」を発表しており、今年の年末商戦でシェア拡大を狙っている。
アップルはデザインや操作性で高評価、アマゾンは価格
こうした各社の販売動向を予測するうえで、顧客満足度は重要な指標になりそうだ。JDパワーの調査を詳しく見てみると、満足度が最も高かったメーカーはアップルで、これにアマゾンが僅差で続いた。アップルのアイパッドは操作のしやすさやデザインで高い評価を得、アマゾンは価格を評価する人が多かった。
なおこの調査は、今年7月に、タブレット端末を購入して2年以内の米国消費者を対象に行って1985人から回答を集めている。「性能」「操作性」「スタイリング・デザイン」「機能」「価格」の5項目について尋ね、JDパワー独自の指標を使って測定している。