大阪府堺市長の竹山修身氏をゲストに迎えた今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。竹山氏が考える地方分権のあり方や、政令指定都市としての堺市と大阪市との違い、堺市が目指す重点政策などについて語った。
地域の自治会レベルからのボトムアップで地方分権を考えよ
中山 今回は堺市の竹山修身市長にお話を伺いたいと思います。メディアでは地方分権に関する報道が盛んですが、竹山さんは地方分権についてどうお考えですか。
竹山 私は、市町村という単位を最優先にしなければならないと思っています。
今の府県の単位でやっていると、例えば空港問題を取ってみても、この狭い関西圏に3つも空港が存在する。1つでいいのではないか、という議論がまずあります。また、それぞれが競い合う中で、府県から産業基盤がオーバーフローしてしまっています。
ですから、将来は道州制を目指す必要があるのではないでしょうか。基礎自治体と道州制をどうリンクしていくかが今後の地方分権に求められると思います。
中山 一口に議員と言っても、堺市には市議会議員や府議会議員もいれば衆議院議員や参議院議員もいたりと、国民にはそれぞれの境界線が分かりにくい部分があると思います。地方分権における国と地方の役割の違いについて教えてください。
竹山 まず一番大事なのは自治会だと思います。地域の自治会で民主的に物事を決め、そこで様々な課題を解決することが大切です。
自治会で解決できない事柄については、堺市で言えば美原区や南区などの行政区が対応し、行政区でも解決できなければ堺市がやるのが基本です。そのために住民の代表である市議会議員の方々がいるのです。
また、市でも解決できない問題は府県が、府県でもできなければ国がやるべきです。これを「補完性の原則」と言いますが、中央集権ではなく地域からの積み上げや盛り上げによって地方分権を考える必要がある。住民の監視が行き届く、一番近いところから充実させていくことが重要です。
人を育て、地域の歴史文化やものづくりの伝統を守っていきたい
中山 大阪府下には大阪市と堺市という2つの政令指定都市が存在します。今、橋下(徹)大阪市長を中心に大阪都構想の議論が行われていますが、竹山さんはどう見ていますか。
竹山 今まで一番問題だったのは、二重行政の問題です。政令指定都市と府が同じ仕事をしていて、非効率ではないかと指摘されるのが大阪市と大阪府の関係だったわけです。