IT企業は「紺屋の白袴」と揶揄されることが多い。お客様に「コスト削減」「売り上げ向上」などが実現できる“はず”の様々なITソリューションを提案するわりに、自社では意外とローテクな手段でオペレーションをしていることが多いからだ。
今回は、過去に享受したメリットからどう脱却しなければならないか、という観点から考えてみたいと思う。
バッテリー駆動時間がダントツだった「レッツノート」
当社の開発業務にはどうしてもハイスペックのコンピュータが必要である。そのため、開発職はデスクトップPCや、ハイスペックのノートPCを使ったりしている。開発用PCは、バッテリーの持続時間や軽さは後回しにして、とにかく早さが求められるため、ノートPCといえども、どっしりとした大きめのサイズになりがちである。
だが、同じものを外出が多い営業職や私が持ち歩くのは何かと不便だ。そもそもそこまでスピードが速いノートPCは不要である。
そこで当社ではあるとき、外出が多い職種のスタッフは全員、携帯性を重視したパナソニックの「Let’s Note(レッツノート)」を使おうということに決めた。今もその流れを踏襲している。
レッツノートは皆さんもご存じの通り「余計なソフトウエアがプレインストールされていない」「バッテリーが長持ちする」ことなどが特徴であり、ビジネスユースに振られたノートPCである。
当社でレッツノートを選定したとき、価格は他社製品の2倍ぐらいしていたと思う。だが、他社製品はバッテリーが1~2時間ぐらいしか持たないものがほとんどだったが、レッツノートだけは5時間持った。
また当時はスマートフォンも存在しなかったため、外出時にメールチェックを行う手段がノートPCかガラケーを使うぐらいしか手段がなかった。
当社ではお客様からの問い合わせやその後のやりとり、それに様々な社内業務などでメールが飛び交っている。メールを見られないということは、業務上の空白時間を発生させることになり、機会損失にもつながる。
これらを避けるためにも、価格は高くても、業務上の空白期間を極力作らずに済むようにレッツノートに統一した。いわゆる「費用対効果」を考えたわけである。