今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)では、中山氏が沖縄の領有権を主張し始めた中国をめぐる動向について語ったほか、いじめ問題に対する提言などを行った。

中国との領土問題が、国防に関する“国”と“地方”の関係をあぶりだす

中山 JBpressが『沖縄の領有権まで主張し始めた中国の国家主義者』という英フィナンシャル・タイムズの翻訳記事を掲載しています。

 記事では、中国で影響力を持つ一部の国家主義者たちの思い通りになれば、尖閣諸島を巡る対立は、それよりはるかに重要な島々にまで拡大する可能性があると指摘しています。

 日本の近海には、中国との尖閣諸島問題や韓国との竹島問題など諸々の領土問題が存在しますが、中国では日本による沖縄県や琉球列島の領有に疑問を呈すべきだと主張する人間が現れました。

毛沢東語録を掲げる紅衛兵の絵(ウィキペディアより)

 中華人民共和国の初代国家主席である毛沢東の談話をまとめた書物「毛沢東語録」に、敗北主義という概念が記されています。

 それは「共産主義者で共産主義国家に住まう者は、自国の勝利を祈れ。共産主義者で自由主義国家に住まう者は自国の敗北を祈れ」という考え方です。最近の国防を巡る議論からは、このことを思い起こさずにはいられません。

 我が国では今、オスプレイ配備問題をはじめ多岐にわたる国防問題がありますが、私は地方分権が国防にハレーション(副作用)を起こす時代になったように感じています。

 地方分権自体はいいことです。人・モノ・金が中央に集中すると地方まで届かないため、地方が市民に身近な目線で政治をしてほしいと多くの人が思っている。

 一方、沖縄を例に挙げると、本来は国が担うべき国防、治安対策、教育の中身、外交という4つの専権事項のうち、国防に関して一地方である沖縄が中央政府に極めて微妙な意見を述べている。

 オスプレイの墜落が怖いのは当然です。しかし同時に、沖縄を自分のものだと主張する中国や、核開発を続ける北朝鮮との問題をどうするのか。

 例えば、この放送を行っている神戸には北朝鮮がミサイルを発射してから約8分で着弾すると言われますが、発射後8分以内に見つけて撃ち落とすのは現実的に難しいわけです。