オスプレイ配備問題、大津市いじめ事件に見られる教育問題など、最新の話題をテーマとした今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。

 在沖縄米軍海兵隊外交政策部次長のロバート・エルドリッヂ氏へのインタビューを中心に、吹田市議会議員で龍馬プロジェクト代表の神谷宗幣氏の米国視察リポートを交えてお伝えする。

「トモダチ作戦」は、お世話になった日本への恩返し

中山 今回はゲストをお2人お招きしています。まずは、大阪大学国際公共政策研究科で長い間准教授として活躍し、現在は在沖縄米軍海兵隊外交政策部次長を務めているロバート・エルドリッヂさんです。まずは現在の役職について教えてください。

エルドリッヂ 外交政策部次長の職務は、日本にいる米海兵隊のいわば外務省的な役割を果たすことです。日本政府や沖縄県内にある各市町村、大学、様々な団体など市民社会との関係をどう築き、改善していくかについて取り組んでいます。

バイデン米副大統領が宮城県を訪問

東日本大震災で被災した宮城県を訪問し、仙台空港で米軍関係者に迎えられるバイデン米副大統領(右、2011年8月23日撮影)〔AFPBB News

中山 東日本大震災の時に米軍が「トモダチ作戦」による救助・救援で日本に多大の人道的支援をしてくれたことが記憶に新しいですが、あの一件に我々は非常に感謝しています。当時の様子を教えていただけますか。

エルドリッヂ 震災発生のニュースを見て、海兵隊はすぐに行動を開始しました。なぜなら、私たちが長年お世話になっている日本が非常に困っていたからです。

 震災翌日の3月12日の朝には、沖縄の普天間飛行場から次々と救援部隊や救援物資を航空機やヘリコプターに載せて被災地に派遣しました。私は13日に被災地支援に向かいましたが、これは忘れられない体験となりました。日本に少しでも恩返ししたいという一心で活動したのを覚えています。

オスプレイは海兵隊にとってどんな意味を持つのか

中山 今、米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備問題がメディアを賑わしていますが、報道を見ていると反米・嫌米論だけで議論されている印象を受けます。

 中国の軍事力増強、北朝鮮や台湾海峡問題、北方領土をめぐるロシアの動きなどの北東アジア情勢を考えた場合、米海兵隊の立場からするとオスプレイの配備にはどんな意味があるのでしょうか。

エルドリッヂ オスプレイの配備をめぐる日本の報道を見ていると少し残念に思いますが、日本は海兵隊のような組織を持たないので、それがどのような役割か理解されていないのはやむを得ないとも思います。