金融危機の最中、ヨーロッパはEURO2012、サッカー欧州選手権で大盛り上がりである。
前回ベスト4進出のロシアも例外ではなかった。攻撃型サッカーを前面に押し出したロシアは今回大会でも前評判は上々であった。

 そして開幕戦で強豪チェコを4-1で圧倒、さらに長年のライバル(サッカー以外でも)であるポーランドには敵地に乗りこんで1-0で勝利を収めた。快進撃に国民の期待は高まる一方である。

ギリシャにあっけなく負けたロシアチーム

ギリシャが準々決勝進出、ロシアは敗退 サッカー欧州選手権

ギリシャ対ロシア戦。白のユニフォームがギリシャ〔AFPBB News

 ところがグループリーグ最終戦、ギリシャ戦であっけない最期を迎えるとは・・・。

 ギリシャは前回優勝国とはいえチームは弱体化、国自体もユーロ離脱目前かという経済危機の最中にある。おまけに翌日(17日)は世界が注目する再選挙を控えた国のチームである。

 ロシアは引き分けでも決勝リーグ進出だったのだが・・・。ここで大きな番狂わせが起こった。何とギリシャがロシアを破り、ロシアは予選リーグ敗退となったのである。

 サッカーの話題はさておき、この敗北はロシア関係ビジネスマンにある心配事を生じさせた。 「キプロスは大丈夫か?!」

 キプロスとは日本には馴染みの薄い国であるが、東地中海、トルコの南方に位置する島国である。第2次世界大戦前は英国の統治下にあったが戦後に独立、島の北半分はトルコに占領されているが、南半分はEU加盟国である。

 観光と金融が主な産業であり、プライスウォーターハウス・クーパース(PwC)の試算によると金融サービスはキプロスの国内総生産(GDP)の15%を占めるという。